銅ホーローのこと

20年ほど前、仕事も決めずに東京から引き上げてきた僕を仕事が見つかるまで1年ほどアルバイトとして雇ってくれた、友人のお父さん。

明和町の海苔農家さんです。

今は引退されましたが、事あるごとに僕のことを気にかけてくださいます。

海苔をやめたお父さんはフェイスブックをしているらしく、nijiiiroのページを見て「稲葉くんあれじゃ食えてへんやろ」とお米をくださったり。

そんなお父さんから久々にご連絡をいただいのは3月のことでした。

「近所の家の片付けで銅板がたくさん出たから見にこい」とのこと。

二つ返事で駆けつけるとたくさんの銅板やたくさんの工具と一緒に粉末の釉薬やフリットがありました。

七宝焼きの材料でした。

 

銅板に釉薬をかけて焼くことに以前から興味がありました。

七宝の歴史は古くツタンカーメンのマスクにも使われており、日本でも7世紀ごろに伝わったものが正倉院に残されています。

七宝はイメージとしては釉薬のカラフルな彩色が主役で銅はあくまで支持体といった感じ。

だけどシンプルな釉薬で銅をメインにしたさりげないものが作れたら面白いなあと。

以前から興味のあった銅に釉薬を焼き付けるということを試してみるいい機会をいただきました。

もともと工房にあるガスバーナーで焼いてみたり、電気炉を購入して実験を繰り返しました。

 

色々と調べる中、銅専用の無鉛ホーロー釉薬を開発している会社を見つけました。

(七宝とホーローはほとんど同じ意味です)

これならやってみたかった銅の器を作れるかもしれないと思いました。

自粛ムード一色の4月ということもあり、スケジュールを調整して妻とじっくり時間をかけ、写真とノートでデータを残して取り組んでみることに。

”器づくり”というとおこがましい気もしますが、恥を掻きながら進むのもnijiiroの大切な目的のひとつ。

 

山ほど失敗作を作りながら出来上がった小さな銅ホーローの器をようやくHPでも販売できるようになりました。

真っ白い釉薬にところどころ滲む緑色は、焼成時に銅が反応して自然に着く色です。

この方法で銅の小さなオブジェや平面作品も製作中です。

 

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