どっちつかずのものつくり

先日読み終えた本ですが、読後も開いて何度も振り返っています。

単に僕の物覚えの悪さだけが(年々ひどくなっている)理由ではありません。

「どっちつかずのものつくり」多治見の安藤雅信さんの著書。

 

僕が改めて書くことでもないんですけど、安藤さんは作陶もされつつギャルリ百草を運営されていらっしゃいます。

まず、安藤さんがご自身のことをどっちつかずだと思っていらっしゃったことにも驚きますが、本の後半のインタビューがとても読み応えがあります。

どのインタビューも学ぶことが多いですが、中でも大友良英さんのインタビューは、新鮮でした。

生活工芸を主軸に構成された本の中で、音楽もまた”ものつくり”であり底の方で工芸と通じていることがよくわかります。

あまちゃんの音楽でしか知らなかった(元々僕は音楽についてとても無知です)大友さんのノイズミュージックに対する考えや向き合い方が詩的かつ美術的だとおもったし、マニアックな古物収集にもたくさんのヒントをもらいました。

 

ものつくりとは、考えをつくることだと思っています。

自分の中の、自分だけの言葉でこしらえた考え。

この本の中でも、安藤さんが村上隆さんと思想の誤差をぶつけ合っています。

こうやって議論して考え合うのかと、スリリングな展開も、ちょっとハラハラしながら楽しめます。

 

CDというのは人間が聞こえないとされる20ヘルツ以下と2万ヘルツ以上の音がカットされているんだそう。

大友さんは本の中で、ノイズとは「必要な情報に対して邪魔なもの」と定義されています。

カットされる部分に何もないと感じるか、そこにこそ何かがあると感じるか。

どう感じるかは、個人的な考えに基づいた判断に委ねられています。

 

目に見えないもの、耳で聞こえないもの、なにもないように見えるもの。

必要な情報ばかり、わかりやすいものばかりの今こそ、個人の考えを、毎日手入れして大切に磨き続けるしかありません。

それがものをつくることなんだと、この本が思わせてくれました。

 

@24iro @nijiiro7